【出産レポ】普通分娩から、無痛分娩に切り替えて産みました。

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私、無痛分娩で出産しました!

陣痛の途中から無痛分娩に切り替えました。
でも実は、陣痛が来るまでは、普通分娩を希望していました。

結果として、初産にもかかわらず、経産婦の出産を追い抜くスーパー安産となりました。

そんな私の出産レポです。

 

 

出産前日

入院

出産予定日を1週間過ぎたため、誘発陣痛での出産のために入院となりました。

ゆっくり出ておいで!というわたしの願いが通じたのか、なかなか陣痛が来ませんでした。
妊娠中、お腹に向けてずっと語りかけていたのを聞いてくれていたのかもしれません。

 

入院後のスケジュールはこんな感じでした。

14:00 入院手続き
15:00 おやつ(モンブランが出ました)
17:00 子宮口を広げる処置(ラミナリア)
18:00 夕食
20:00 生理痛のような痛みがはじまる

 

17:00 噂のラミナリアを経験

出産前、様々な出産レポを読み漁り、「ラミナリア処置は痛い」という声をたくさん目にしていました。

 

ラミナリア」とは、子宮の入り口を広げるための医療器具です。


昆布の成分でできた棒のようなもので、時間をかけて粘液を吸って膨らませることで子宮口を広げます。
(似たような器具で「バルーン」がありますが、これはお股に入れた風船を短時間で膨らませることで、入り口を広げるものになります)

 

医師からは「お股に棒を入れます」なんて事前説明を受けていました。
とても怯えていたのですが、個人的には想像していたよりは耐えられる痛みでした。

実際の感想は、<ほっそーい釘をお股にトンテンカンと打たれるような感じだな>、でした。

 

20:00 生理痛のような痛みが始まる

夕食は美味しく完食しましたが、このときからお股への違和感を感じていました。

 

しばらくしたあたりで、違和感は生理痛のような痛みにシフト。
約1年ぶりの生理痛に、「この感じの痛みも久々だな〜」なんて呑気に構えながら、陣痛アプリで記録をしていました。

この後に待ち受ける陣痛・出産に向けたプチ産前ハイ状態にあったともいえます。

 

痛みの間隔が一定になったら本陣痛といえるのだろうと考えていたのですが、
5分間隔かと思えば10分間隔になったりと、結構まばらでした。

耐えられるレベルではあるけれど、確実にゆっくりと強くなっていく痛みに対して、だんだんと興奮よりも恐怖が勝るようになっていきました。

深夜ラジオを聴いたりとリラックスを心がけましたが、
結局、一晩中、ほとんど眠ることができませんでした。
 

出産当日

朝になる頃には、強めの生理痛レベルが5〜8分間隔にやってきていました。

6:30 【子宮口3cm】 LDRへ移動、陣痛促進剤の開始

LDRへ移動し、いよいよ陣痛促進剤を開始。この時点で子宮口は3cm。

 

7:00 朝食を食べましたが、痛みもあり食が進まず、完食はできませんでした。

9:00 母が様子を見にきました。まだ余裕があり、少し談笑をしました。
そのあと、母は夫を迎えに空港へ向かっていきました。

 

母を見送った後、だんだんと余裕がなくなってきました。

 

陣痛時はとにかく呼吸だ!と作戦を立てていました。

chiiku-at-home.com

このサイトを読み込み、練習もしていました(そこまで熱心にはやらなかったけど…)

 

しかし結局のところ、息を吐けず、ついには
「んあああ、痛い痛い痛い…」と声を出してしまう始末。

遠慮のない痛みが、内側から、規則的にやってくる。

舐めていた。こんなにしんどいなんて。

 

助産師さん「うーん。まだ3.5cm ねぇ」

 

ちっとも進んでいない現実に絶望しながら、
<子宮口の開き具合に小数点の世界があるのか、そもそもどうやって5mmをジャッジしてるんだよ…>
と疑問に思っているうちに次の痛みがやってくる。いたいいたいいたい!

身体をよじり、「息を吐いて」というアドバイスにも従えない。
「痛い」って言葉を口から出してはいけないと思っているのに、出てしまう。

 

助産師さん「まだまだこれからよ?今からこれじゃ大変よ」

 

半ば呆れられてしまいました。自分でもびっくり。こんなに痛みに弱かったなんて…。

そして、今よりもっともっと痛くなるだなんて!

 

10:45 【子宮口3.5cm】 見かねた助産師さんの鶴の一声

おそらくまだ陣痛の序の口であろうのに弱音を吐き続ける私に、助産師さんが言いました。

 

助産師さん「麻酔(=無痛分娩)する?」

 

なんでも、私が吐く弱音のなかに「産む体力残らないかも…」という言葉があったらしく、これが無痛分娩を提案する決め手になったそうです。

また、痛みから解放されて体がリラックスすることで、お産が進むメリットも期待できるのだとか。

 

産院は、無痛分娩を利用するための条件を掲げていました。
これをクリアしていれば、普通分娩からの切り替えも可能でした。

私は幸いにも、条件を満たしていたのでした。

 

私「うん、する。する。」

 

即答しました。必死すぎて、タメ口で(笑)

 

11:00 【子宮口3.5cm】 あれよあれよと麻酔投与

あっという間にカチャカチャと麻酔処置の準備が整いました。

 

妊娠中には怖く感じていた硬膜外麻酔という処置も、今となっては、
<もうさっさと打ってくれ!プスッといってくれ!!>の一心でした。

 

ここでしんどかったのは、麻酔を入れる処置中は体を動かしてはいけないこと。

この時点で身体をよじらないと痛みを逃せない状態にあった私にとっては本当に辛かったです。
でも、麻酔失敗の方が遥かに恐ろしいので、そこはさすがに必死で耐えました。

 

麻酔を打って間も無く、すぅっ…と痛みが消えていきました。
不思議で幸せな感覚でした。

助かった、と心から思いました。

 

すぐ後に内診したら、なんと6cmになっていました。

あれだけ進まなかった子宮口の開きが、あっという間に2.5cm(笑)進んだのです。
自分では陣痛の合間に力を抜いていたつもりでしたが、上手くできていなかったのですね…。

 

ほどなくして、母と夫が到着しました。12時頃でした。

 

12:30 【子宮口6cm】 麻酔したはずなのに、痛みが?

痛みから解放され、久々に会った夫とゆったりとした時間を過ごしていました。

 

一方、隣のLDRで経産婦さんも出産が始まったらしく、スタッフさんはそちらに向かっているようでバタバタしていました。
しかし、その矢先、

 

…あれ?痛い?

 

12時半くらいになると、徐々に痛みが出てきたのです。
下半身を鈍器でどつかれるような重めの痛みが、規則的に。

助産師さんは13時に様子を見にくると言っていたので、それまで耐えて待とうと思っていたのですが、

 

痛い。

……痛い!無理! 麻酔、足りないんじゃない!?

 

耐えきれず、夫にナースコールをお願いしました。

 

助産師さんがやってきて様子を見るとギョッと驚いた様子で

 

助産師さん「あら、9cm!こっちのほうが早いかもね!準備しますね」

 

なんと、いつの間に子宮口がほぼ全開になっていました。
そして、この痛みは赤ちゃんの頭が産道まで降りてきたもので、麻酔をしてもとれない最後の痛みなんだそうです。不思議ですよね。

 

いよいよ分娩

一気に室内の空気が変わり、バタバタと分娩の準備が進みました。

院長先生は入ってきながら
「早かったね〜、経産婦さんのほうが先だと思ってみんなそっちにかかってたよ。すごいね〜」
とニコニコ。

そして、その間にも子宮口は全開に…。

 

ベッドが分娩体制になり、いきみ方を教わり、痛みがきたらいきむ→休むを何度か繰り返しました。

 

ふと下を見ると、自分の股の間に小さな顔がありました。

ビックリした次の瞬間にするん、と出てきました。

 

13時20分頃にムスメは誕生しました。

 

いきむ以外の時間は、麻酔のおかげでまったく痛くありませんでした。

いきんでいる間は、不思議と痛みを感じないので、
つまりは分娩時はほとんど痛みがありませんでした。

 

お股に頭が挟まっていようが、
助産師さんが入り口を手でどんなに広げようが、
会陰切開をしようが、

痛みを感じることなく分娩に集中できました。

 

出産後

カンガルーケアをして、2時間ほど赤ちゃんと共に過ごしました。

生まれたての我が子の写真や動画を撮ったり、誰に似ているなどの会話を夫・母としたり、本当に幸せな時間でした。

 

赤ちゃんは新生児室に連れて行かれ、私は病室に戻りました。

まだ麻酔が残っているため、車椅子での移動でした。
部屋でくつろいでいると、母から出産報告を受けた親戚が数人、さっそくお見舞いに来てくれました。

 

トイレ以外は安静にということでベッドの上で過ごしているものの、難なくひょいっと起き上がり、普段通りに元気に話をする私を見て、親戚は

「さっき産んだんだよね?」

と、目を丸くしていました。

なんせ、麻酔のおかげで産後の痛みもほとんどない!とにかく体力が残っている!

 

「無痛分娩」というものに(おそらくですが)否定的ではないにしろ、肯定的でもなかったと思われる親戚達も、出産直後にも関わらず元気な私を目の当たりにして、印象が変わったようでした。それくらい、本当に元気でした。